風景と速度

@takusan_neyoの日記

2018-01-01から1年間の記事一覧

同窓会とたばこ

高校の同窓会で、喫煙が可能な席だったのでタバコとライターを机の上に置いたまま飲んでいたら、「お前タバコ吸うん笑」と聞かれて一本取られそうになった。 確かにわたしはタバコをたまーに吸うけれど、吸わない人ばかりのテーブルだったし遠慮していたのだ…

ICOCA

社会復帰したが、どうにも耐えられなく、バスを待ちながらファミチキを食らい、フォーナインを飲んでいる。 * バスを降りてセブンイレブンの前でチューハイを処しながらこれを書いている。世の中はクリスマス。わたしにもあなたにも。セブンイレブンでICOCA…

写真と署名

仲のいい先輩と川崎のフェスに行ったとき、物販にシャムキャッツのメンバーがいて(夏目さんはいなかったけど)、せっかくだからTシャツ買って話しかけよう、と並んでいたら、後ろの女の子たちが「あとで写真撮ってください」と頼んでいて、私も撮ってもらいた…

午前2時を過ぎても

午前2時を過ぎてもきみは起きている 悪いね 悪いのはぼくもだね 冬のあらゆる記憶の中にうつくしく恋人たちが分け合う蜜柑 愛はきみのこころに斧を研ぎすませ振りかざしたらひけなくなるわ 室外機の下から猫がのぞいてる 猫逃げていく おやすみなさい (10分…

いくつかの12月

いいこと。好きな本が再販されたり、好きな作家の本が出たりした。 よくないこと。仕事がこんがらがってておわりがみえない。でも終わりの日は近づいてくる。方針を決めるのは難しい。 * もうすぐスマブラの新作が出るから、Switchを買った。ゲーム離れして…

職場で話していたら、「歯茎から血が出てますよ」とつっこまれたけれど、自分では確認するすべがその時はなかった。たぶん血が出ていた。 * 眠いような眠くないような、疲れてるような疲れてないようなこの感じをこそ疲れてるというのかもしれない。 * 日…

秋冬

もうすっかり寒くなってしまった。 憎んでいたけど忘れかけていたひとがこの1ヶ月で存在感を増してきて、わたしはそのひとのことを今、しっかり憎むことができている。 憎しみがディテールをもってくっきりとわたしの中に震えている。 * 昨日は布団にもぐっ…

読書録その1・塚本邦雄『感幻樂』/近況

塚本邦雄全歌集の2巻が出てたので買った。 彼は1960年くらいから前衛短歌をおしすすめたひとで、とにかく歌がとてもかっこいい。 (以下、引用は全て文庫版『塚本邦雄全歌集 第二巻』(短歌研究文庫)所収の『感幻樂』による) 固きカラーに擦れし咽喉輪のくれな…

在る光

なにかを感じながら24時間過ごしているはずなのに、正確に記述しようとすればするほど真空に近づいていくような苦しさを感じる。 いまわたしは居住地を離れたところで、毎朝出かけて毎晩帰ってくる、の繰り返しをしていて、乗るべきバス停や降りるべきバス停…

複雑さ

白い扇風機が回るのを見ている。扇風機はふたつの回転軸を持っていて、扇風機の顔から見た方向の軸においては、同じ回転方向と回転速度を保っているのに対して、地平に対して垂直に伸びる身体を軸として、加速と原則を繰り返しながら首を振っている。2軸の回…

夏と百閒

平成にとって最後の夏がくるのだという。あまり意識したことがなかったからほう、とおもったのだけれど、ということはすなわち平成にとって最後の春は終わってしまったの?と一瞬なって、でもそうなったら春の時点で騒いでるはずだよな、という考えにいたり…

ぼんやりと詩論/愛の話/近況

作品のようなものを書きながら、ひとの帰りを待つ。 作品のようなもの、が、作品、になってしまう瞬間が、弾けるようでせつなくてたまらない。これは自分の中での話。 自分の中でもあいまいで、こわれてしまいそうな、不安定なものたちが、あるバランスを得…

移動

4月の空気は、どこか不安定で、憂鬱さとかすかな光を兼ね備えていて、そのなかにどっしりと川が流れている。川はその存在をもって、重力をわたしたちに再認識させる。高度の高い方から低い方へ。わずかだが、着実に。 今年の桜は散るのがはやいねえ、3月終…

贈与・意味・論理

すきなひとにプレゼントを贈りたかった。仕事を早めに終わらせて、バスで駅まで向かって、家とは反対方向の北の繁華街へと足を向けた。 ロフトをだらだらと歩いて、レターセットを買う。それと、自分用のイヤフォンも。イヤフォンはこの間、ポケットに突っこ…

雲が不思議な形で浮いている。体積や質量を保持したままで空中に浮遊するというのは、どういう気持ちなのだろう。 幼い頃、わたしはどこへも行けないのだとおもっていた。旅行とか、楽しいこととかの記憶があまりなかったから。今となってはお金を使えばどこ…

何もしたくない

つらい朝。なにもしたくなくなる。なにもしたくないと思うとき、では日頃わたしはなにかをしたいと能動的に思っていただろうか、ともおもう。デートしたいとか、おいしいお酒を飲みたいとか、そりゃいろいろあるにはありそうだけど、どれも能動的な欲求とは…

飛び石について

飛び石をわたりながらお酒を飲んだ。こぼさないように気をつけて、石から石へ。石の間がすこしだけ離れているから一瞬だけ僕は空中にいることになる。 川原でなにかを演奏するひとや、走るひと、アメフトの練習をしている中高生たちとその保護者。散歩中の男…

ビーサンが好きだ

ビーサンが好きだ。 Alfred Beach Sandalというミュージシャンがいて、彼の曲や歌詞、歌声を摂取しているとわーっとなる。 www.youtube.com「台風はまだか」というノスタルジックなラインが、変拍子の心地よいリズムと北里の透き通った声で歌われる。ぐっと…

正しさと氷

「異性愛者以外をおれは認めない」という言葉を「生物学的に間違っている」という風に言い換えて主張をなさる方をたまに見かける。わたしは生物学に明るくないけれど、「生物学的に間違っている」概念や存在があるとするならば、「生物学的に正しい」概念や…

ベクトル

シモーヌ・ヴェイユが『重力と恩寵』の中で、重力は下方向の、恩寵は上方向のベクトルを持つ、という感じの抽象的な話をしていたのとはあまり関係はないけれど、心が沈んでいるときにでてくる言葉や態度が、むしろ浮遊したものになることもあるのかもしれな…