風景と速度

@takusan_neyoの日記

冬だから仕方ない

寒い。冬になると意識や感情や体調がすこしずつ終わっていく。

今年から仕事をはじめた。忘年会が今週末にあるということが心の片隅にあるだけで多くの事に手がつかなくなり、こうやって帰宅後にカレーライスを食べて文章を書くことくらいしかやる気が起きなくなる。いや、正確にはカレーライスを食べるのも、文章を書くのも、手がつかなくなる他のことに比べたら能動的に行っている、ぐらいのもんで、結局ぼくがやる気を出していることなんてないのかもしれない。

そもそもやる気なんて普段出すタイミングがない。出すとしたら、溜まり過ぎてたいへんなことになったシンクの洗い物や、溜まり過ぎてたいへんなことになった洗濯物をなんとか処理するときぐらいのもので、そういうときには絞られ過ぎた濡れ雑巾のような心をさらにきつく絞って、枯れかけているやる気の残滓をドーピング的にかき集めるしかない。

ちゃきちゃき生きられるひとはすごい。どこにそんな元気が有り余っているんだろうか。

やる気を出さずに心を殺して作業速度を上げるのがよいのだろうけど、心が死んでいるので溜まり過ぎたものたちに目を向けることができない。仕事ならそれでも嫌々やるからゆったりと進んでいくけれど、家に帰ってまでそれをやっていたらもうだめだ。

かろうじて趣味と言えることは読書ぐらいなのに、こうも気持ちが沈んでくると読書すら気が滅入る。音楽も家でゆっくり聴くこともなくなった。漫画も買ったのに読めてない。お風呂にはいるのもめんどくさい。まあ、冬だからしかたない。

べつに恋人でなくてもいいので、傍にいて家でのやる気をださせてくれるひとがいたらいい。洗濯まわしなよ、とかお風呂入りなよ、とかこの漫画まだ読んでないよ、とか、そういう。でもそれも、きっとその人に甘えてしまうのだろうな。

結局はただ寂しいだけなのかもしれない。それも冬だからしかたない。